flex-wrap:フレックス・コンテナに入り切らないアイテムの折り返し方法を指定する
初期値 | nowrap |
適用対象 | フレックス・コンテナ |
継承 | しない |
アニメーション | 離散値 |
対応ブラウザ | caniuseで確認 |
flex-wrapプロパティの説明
flex-wrap
は、フレックス・コンテナに入り切らないアイテムの折り返し方法を指定します。アイテムの基準となる寸法の合計がコンテナのサイズを上回った場合に、単一行に押し込むように縮めるのか、複数行に折り返すのかを指定します。
折り返しを許可する場合は、交差軸の方向へ重なる向きも制御できます。折り返しを許可しない場合は、アイテムやコンテンツのはみ出しを制御するプロパティの値によって、ボックスの挙動が変わります。
flex-wrap
は、flex-direction
の機能と密接に関わっています。これらを一括で指定する場合は、ショートハンド・プロパティのflex-flow
を使用して下さい。
これらの機能の関係性を把握したい方は、フレックス・ボックスの解説を参照して下さい。
flex-wrapに指定できる値
- nowrap
- アイテムの折り返しを許可しません。コンテナの寸法が狭まった時、アイテムは最小値まで縮まり、収まりきらなかった部分が途中で見切れたりはみ出すようになります。交差軸は、
flex-direction
の値に応じてstart
またはbefore
と同一になります。 - wrap
- アイテムの折り返しを許可します。コンテナの寸法が狭まった時、アイテムは寸法を保つために折り返して配置されます。交差軸は、
flex-direction
の値に応じてstart
またはbefore
と同一になり、cross-end
は指定されたcross-start
の反対側になります。
flex-wrapの使い方とサンプル
flex-wrap
プロパティの構文は以下の通りです。
/* キーワード値 */
flex-wrap: nowrap;
flex-wrap: wrap;
flex-wrap: wrap-reverse;
/* グローバル値 */
flex-wrap: inherit;
flex-wrap: initial;
flex-wrap: revert;
flex-wrap: revert-layer;
flex-wrap: unset;
flex-wrapの実例
それでは実際にflex-wrap
プロパティの書き方を見ていきましょう。以下の例は、単純な水平方向の主軸を持つフレックス・ボックスです。上の段のコンテナはアイテムを折り返す指定、下の段のコンテナはアイテムを折り返さない指定になっています。
resize
に対応しているブラウザであれば、コンテナのサイズを変更できます。コンテナの右下に表示されるハンドルを掴んで、横幅を伸縮させてみて下さい。
h2 {
margin-top: 1rem;
font-size: 1rem;
}
.flex_box {
overflow: auto;
display: flex;
flex-direction: row;
gap: 1rem;
margin-top: 1rem;
padding: 1rem;
background: #eee;
resize: horizontal;
}
.flex_item {
width: 100px;
padding: .3rem;
background: #09f;
color: #fff;
flex: 1 1 auto;
}
.fw_1 {
flex-wrap: wrap;
}
.fw_2 {
flex-wrap: nowrap;
}
<h2>flex-wrap: wrap;</h2>
<div class="flex_box fw_1">
<div class="flex_item">1</div>
<div class="flex_item">2</div>
<div class="flex_item">3</div>
</div>
<h2>flex-wrap: nowrap;</h2>
<div class="flex_box fw_2">
<div class="flex_item">1</div>
<div class="flex_item">2</div>
<div class="flex_item">3</div>
</div>
続いて、垂直方向の主軸を持つコンテナの挙動です。アイテムは縦に並びますが、コンテナの寸法が縮まって空き領域が無くなった時にレイアウトを変えて収めようとするのか、そのままにするのかを指定できます。先ほどのサンプルと同じように、コンテナの右下に表示されているハンドルを上下に操作して、コンテナの高さを変えてみて下さい。
フレックス・アイテムの並び方や折り返しは、ボックスの寸法やコンテンツがはみ出した時の挙動に関する指定によって大きく変わります。これらは複数のプロパティの相互作用によって成立するものなので、関連するプロパティの機能も必用に応じて理解を深めて下さい。
h2 {
margin-top: 1rem;
font-size: 1rem;
}
.flex_box {
overflow: auto;
display: flex;
flex-direction: column;
gap: 1rem;
margin-top: 1rem;
padding: 1rem;
background: #eee;
resize: vertical;
}
.flex_item {
padding: .3rem;
background: #09f;
color: #fff;
flex: 1 1 auto;
}
.fw_1 {
flex-wrap: wrap;
}
.fw_2 {
flex-wrap: nowrap;
}
<h2>flex-wrap: wrap;</h2>
<div class="flex_box fw_1">
<div class="flex_item">1</div>
<div class="flex_item">2</div>
<div class="flex_item">3</div>
</div>
<h2>flex-wrap: nowrap;</h2>
<div class="flex_box fw_2">
<div class="flex_item">1</div>
<div class="flex_item">2</div>
<div class="flex_item">3</div>
</div>
flex-wrapに関連するCSSプロパティ
段組み・カラムレイアウト | |
---|---|
align-content | コンテナの交差軸または列方向に余白がある場合にアイテムの並べ方を指定する |
align-items | コンテナに含まれる全てのアイテムに対して揃える位置を指定する |
align-self | コンテナに含まれるアイテムの位置揃えを個別に指定する |
columns | 段組み要素に関するプロパティを一括で指定する |
column-count | 段組み要素の内容を分割する数を指定する |
column-fill | 段組み要素の高さに対して内容をどのように分配するかを指定する |
column-gap | コンテナに配置されたアイテム同士の列方向の隙間を指定する |
column-rule | 段組み要素の罫線のスタイルを一括で指定する |
column-rule-color | 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の色を指定する |
column-rule-style | 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の形状を指定する |
column-rule-width | 段組み要素の段と段の間に引かれる罫線の太さを指定する |
column-span | 段組み要素の中で全ての段にまたがるレイアウトを指定する |
column-width | 段組み要素の段に対して目安の幅を指定する |
flex | フレックス・アイテムの伸縮率や基準となる寸法を一括で指定する |
flex-basis | フレックス・アイテムの基準となる寸法を指定する |
flex-direction | フレックス・コンテナの主軸方向やアイテムの並び方向を指定する |
flex-flow | フレックス・コンテナがアイテムをレイアウトするフローをまとめて指定する |
flex-grow | フレックス・アイテムが伸長する倍率を指定する |
flex-shrink | フレックス・アイテムが収縮する倍率を指定する |
flex-wrap | フレックス・コンテナに入り切らないアイテムの折り返し方法を指定する |
gap | コンテナに含まれるアイテム同士の隙間を指定する |
grid-area | グリッド・アイテムの配置に関する基準を一括で指定する |
grid-auto-columns | 暗黙的に作成されたグリッド列のサイズを指定する |
grid-auto-flow | グリッド・アイテムがトラックに配置される方法を指定する |
grid-auto-rows | 暗黙的に作成されたグリッド行のサイズを指定する |
grid-column-end | グリッド・アイテムの配置に関して列方向の終了位置を指定する |
grid-column-start | グリッド・アイテムの配置に関して列方向の開始位置を指定する |
grid-column | グリッド・アイテムの配置に関して列方向の位置や寸法を一括で指定する |
grid-row-end | グリッド・アイテムの配置に関して行方向の終了位置を指定する |
grid-row-start | グリッド・アイテムの配置に関して行方向の開始位置を指定する |
grid-row | グリッド・アイテムの配置に関して行方向の位置や寸法を一括で指定する |
grid-template-areas | グリッド・コンテナの中に名前つきのグリッド・エリアを作成する |
grid-template-columns | 明示的な列方向のグリッド・トラックを定義する |
grid-template-rows | 明示的な行方向のグリッド・トラックを定義する |
grid-template | グリッド・レイアウトのテンプレートに関する指定をまとめて行う |
grid | グリッド・レイアウトに関するコンテナのプロパティを一括で指定する |
justify-content | コンテナの主軸または行方向に余白がある場合にアイテムの並べ方を指定する |
order | フレックスやグリッドのコンテナに並ぶアイテムの順序を指定する |
orphans | ページや段組みカラムの最下部に表示されるブロックの最小行数を制御する |
row-gap | コンテナに配置されたアイテム同士の行方向の隙間を指定する |